「寄宿舎/悲しみの天使」-トーマの心臓はここからはじまった

耽美

1964年、フランス製作の白黒映画。
「男子寮」ものです。

古い映画ですが、この作品、実は名作誕生のきっかけとなった作品です。

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あらすじ

1920年代のフランス。
愛に飢えた少年ジョルジュは寄宿学校に入る。
そこでは学生同士の親密すぎる友情は厳禁で、見つかれば放校される。
そんなある日、天使のような美少年アレクサンドルと出会う。
二人は次第に親しくなり、「血の誓い」を立てるが、神父に仲を知られてしまい…。

名作はここから生まれた

ドイツのギムナジウムを舞台とした名作、萩尾望都『トーマの心臓』

文庫版1巻↓のあとがきによると、この映画はトーマの心臓が誕生するきっかけとなった作品だそうです。

見ていた私は自殺した少年に同情するあまり立腹し、(中略)“じゃあ、誰かが自殺したその時点から始まる話をつくってみよう”というのでつくった話が実は『トーマの心臓』です。

『トーマの心臓1』(小学館文庫 1980年)あとがきより引用

エンディングのその後を妄想するのはオタクあるあるですが、ある意味その究極形態と言っていいかもしれません。

もちろん、トーマの心臓は萩尾望都のオリジナル作品なので内容としてそのまま「続き」というわけではないのですが、影響を受けたことは間違いなさそうです。

また、フランスの寄宿舎が舞台の名作、竹宮惠子『風と木の詩』↓。

物語の舞台となる寄宿舎の名前は、ラコンブラード学院

この映画で主人公のジョルジュ役を演じた俳優フランシス・ラコンブラードから取ったと言われています。

萌えどころ

フランスの全寮制男子校で、美少年二人の親密な関係、という設定がおいしい映画。

制服のままでスポーツやったり、朝の祈りがあったり、聖歌を歌ったり、ハリポタみたいな食堂が出てきたり。

とにかく寮生活の描写だけで目が楽しい。

温室での密会など、「風と木の詩」を彷彿させるシーンもあります。

そして何よりすごいのは血の誓いという設定です。

これは、二人の親密な関係の証としてお互いの腕に傷をつけて、お互いの血を混ざり合わせる儀式で、

下手に事を起こすよりもだいぶドキッとするシーンです。

ちなみに、個人的に私が一番萌えたのはトレンヌ神父

彼はジョルジュに嫌味を言ったりきつく当たっていて、二人の関係を暴露しようとするのですが、

逆に自分の少年趣味をバラされて放校されることになります。

神父が学校を去るとき、ジョルジュを呼んで、悲しげに
「私の為に祈ってくれ」
と言うシーンが萌えました。

それまでさんざんジョルジュに嫌味を言って苛めてきた人の台詞とは思えません。

実はジョルジュのことが好きで、嫉妬から虐めていたのでは…?

と妄想してしまいました。

彼がタバコを吸うシーンがあるのですが、神父とタバコという取り合わせっていいよね。

まとめ

個人的には、あの名作「トーマの心臓」の「元になった作品」として期待値が高すぎたあまり話としてはそこまでじゃなかったかな、というのが第一印象でした。

とはいえ、この作品単体で見れば、王道「寄宿舎もの」としての要素満載の一作。

とくにラストシーンは衝撃的で切ないです。

白黒のフランス映画なので、ちょっととっつきにくいのですが、 「トーマの心臓」と比べながら見るとより一層楽しめるかと思います。

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