『孤島の鬼』の裏話?-『二青年図―乱歩と岩田準一―』岩田準子


先日感想を書いた江戸川乱歩『孤島の鬼』繋がりで読みました。

孤島の鬼の主人公、箕浦のモデルは岩田準一と言われています。

これがなかなかにとんでもない作品だったので、ご紹介します。

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あらすじ

物語は、岩田準一(乱歩の作品の挿絵などを手掛けた画家。男色研究家としても有名)を主役に、平井太郎(乱歩の本名)との関係を描いた作品です。

簡単に要約すると、

①とりあえず準一は女に興味がない
平井太郎に一目惚れ
③師匠であるところの夢二(※美人図で有名な竹久さんです)に理想の女性そのものとか言われて迫られる
④結局師匠より太郎を取る
⑤両想いになる
というような内容で し た。

作者・岩田準子とは?

何がびっくりって、この作品の作者は岩田準一の実の孫という事実です。
これってつまり、

実の祖父を主役にその友達(男)とのラブストーリーを二次創作する孫娘

という解釈で良いんでしょうか…。

何処までが事実で何処までが虚構なのか。

歴史上の人物と言うにはあまりに最近の著名人ばかりなので、色々とギリギリです。

まあ乱歩の随筆とか読んでても何かしらの妄想の余地はあるんだけど

見どころ

『孤島の鬼』の箕浦のモデルは岩田ということですが、
この物語における太郎(≒乱歩)」によると、箕浦のことを全力愛していた先輩・諸戸は作者自身の投影らしいです。

その理由が、「片思いだと苦しんできた君へのお返し」だそうで。

準一・太郎の年齢差と箕浦・諸戸の年齢差も同じらしいです。

でも、もし太郎が自分を諸戸のイメージで書いたのだとしたら、太郎、自分で自分のこと美青年て書いてることになるんですけど…(笑)

まあ、話の真偽のほどはともかく、この時代らしい会話などが洒落ていて素敵です。

一度、準一が夢の中で太郎と関係を結ぶシーンがあるのですが、それがなかなかすごい。

約4ページにも渡り、どちらかと言うと、一昔前の「耽美小説」「JUNE系」すら彷彿とさせる描写が続きました。

まさかそんなつもりで読み始めたのではなかったので焦りました。

耽美系の最中描写って、抽象的なのにやたら言葉が選び抜かれていて何とも云えない色気があるように思います…。

因みに夢の中では準一が受けみたいです。

まとめ

真実はさておき、この小説は二人のラブストーリーです。

太郎との描写といい夢二とのやりとりといい、全体的に良くも悪くも昔ながらのJUNEっぽい雰囲気が溢れていました。

師匠の求愛を振り切って初恋の人と結ばれます。

設定勝ちというか、作者が作者だけに「ただの歴史小説」みたいなくくりに出来ないところが作者の勝ちという感じがします。

『孤島の鬼』を読んだあとにサクッと読むのがおすすめです。

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